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フッ素と虫歯予防・予防歯科・フッ素の役割と安全性
こんにちは。登戸グリーン歯科・矯正歯科の歯科衛生士石田です。
今日はフッ素と虫歯予防・フッ素の役割と安全性についてお話していきたいと思います。虫歯予防・予防歯科
最近の日本では、お子様の虫歯になる率(罹患率)はどんどん減ってきています。
ですが意外なことに大人でも3人に1人は治療が必要なのに、治療されていない虫歯があるそうです
確かに、お忙しいとなかなか歯医者に通うことが難しい場合もありますよね。
ご高齢の方の場合になると、虫歯になったことがある人の割合がどんどん増えています。フッ素・虫歯予防に
虫歯を予防することはお子様から大人まで非常に大切な毎日のケアになります。
お食事後のフロスや歯間ブラシ、歯ブラシで食渣(しょくさ・食べかすのこと)をしっかり取ることと歯垢を除去することに加えて毎日のケアにフッ素を取り入れてみてはいかがでしょうか。
そこで、フッ素が虫歯予防に効果があるお話をさせていただきます。
そもそもどうやってフッ素が虫歯を予防するのか?
どのくらい予防してくれるのか気になったことはありませんか?
そもそもフッ素とはなんだろう?
フッ素が虫歯をどうやって予防するのかの過程をご説明いたします。。フッ素とは
まず、フッ素とは、自然界にも多く分布している元素です。
土の中には280ppm、海水の中に1.3ppm含まれています。
1ppmとは100万分の1に当たる単位になります。
自然界にあるほぼすべての食材に微量ながら含まれています。
体の中にも存在していて、動物の歯や骨、血液や軟組織にも存在しています。歯科でのフッ素
歯科で用いられるフッ素はフッ化物で、正式名称をフッ化ナトリウムといいます。
フッ素には安全に使用するための量の基準があります。
フッ素の濃度の推奨基準が2023年1月に改訂され、今までは0歳児では500ppmまでだったのが1000ppmまでなら安全に使用できると新しく発表されました。
後述で年齢別に推奨量もご紹介したいと思います。フッ素の働き
そしてフッ素の働きとして、虫歯菌から出る酸やお食事の中の酸で溶けた歯の表面を再び結晶化をさせて固め(再石灰化促進)、溶けてしまった歯の一部分からさらに溶けださないように歯を酸に強くさせます。
虫歯菌は酸を出して歯を溶かしてできるものですので、フッ素は歯を修復させてさらに溶け出さないようにするのです!
フッ素には全身応用法と局所応用法が存在します。フッ素の全身応用法
お薬の形態などでフッ素を体の中に取り込み、消化管で吸収されたフッ素が形成中の歯の表面(エナメル質)に取り込まれることで歯を強くさせます。
フッ素錠剤やフッ素添加塩などがあります。
また、飲料水にフッ素が比較的高濃度で溶け込んでいる地域などでは、日常的にフッ素を体の中に取り込んでいることになります。フッ素の局所応用法
生えている歯に直接フッ素を作用させる方法で、塗布法、洗口法とフッ素入り歯磨き粉があります。
塗布法
塗布法は歯科衛生士や歯科医師によって2%(9000ppm)の比較的高濃度なフッ素を、歯ブラシやコットンの玉を使って歯の表面に塗っていく方法で、虫歯予防として1歳から実施されています。
フッ素・注意点
注意点として単に1回塗っても効果は少ないようで、年に2回以上定期的に継続して受ける必要があります。
乳幼児に対して定期的にフッ素塗布を行って、虫歯がほぼ半分に減ったと報告もあります。
当院でも扱いはありますが、効果が強い分表面のみ固くなるため、虫歯になりかけている歯には当院はお勧めしておりません。フッ素・おすすめ
900ppmと濃度が低めのフッ素ジェルも取り扱っており、内面からじっくりと組織を強くしていくため、こちらを毎日使用していただくことを当院では推奨しています。
ブクブクうがい・洗口剤
洗口法は当院で最も行われている方法で、フッ素をお口に含んで30秒~1分間ぶくぶくうがいをします
一回の量は未就学児で5~7ml、小学生以上で10mlです。
毎日法(週5回法)と週1回法があり、それぞれ用いられる溶液の濃度が異なります。
毎日法では0.05%の溶液(225ppm)を、週1回法では0.2%(900ppm)を用います。フッ素・注意点2
フッ素を塗ったりフッ素洗口の後は30分間飲食やうがいを控えていただくとフッ素の効果が出ますので、寝る前の歯磨きのあとがタイミングとして適切です。
フッ素洗口の虫歯予防効果は、厚生労働省より30~80%と報告が出ています。
こちらの洗口剤はりんご味で人気があります。ぜひご家族でご利用ください!
歯磨き粉(歯磨剤・しまざい)
フッ素配合の歯磨き粉も最近では多く販売しています。
毎日の歯磨きでフッ素を取り入れられれば虫歯予防効果は1000ppmで23%、1450ppmで29.3%にもなります。右側の商品、チェックアップこどもについて、当医院ではアレルギー疾患既往のある方にはお勧めしていません。どれが良いかお困りの際は歯科歯科衛生士にお気軽にお問い合わせください。
お子様用のGCこども用はみがきを新しく販売しました!ストロベリーまたはアップル(ミント配合)の2種類です。
長年販売しているチェックアップスタンダード。
ご愛顧有難うございます。年齢別推奨使用量
歯が生えてから2歳まで
1000ppmでブラシの先に米粒程度の量
3~5歳
1000ppmで量は5㎜くらい
6歳以降
1500ppmで1.5~2㎝くらい
フッ素の働き
フッ素が歯を修復
歯の表面のエナメル質の結晶内に取り込まれたフッ素は、ハイドロキシアパタイトと呼ばれるエナメル質の結晶よりも酸に強いフルオロアパタイト、フッ化時ハイドロキシアパタイトとして存在します。これによって酸に負けにくい歯質になります。
そもそも、酸性がなぜいけないかというと、虫歯菌がショ糖を食べて出す老廃物が酸性で歯をとかしてしまいます。
そしてフッ素があることによって、エナメル質の表面が溶けた「脱灰」の状態のエナメル質中リン酸カルシウムの反応性が高くなり再び硬さを取り戻す再石灰化を促進します。
また、プラーク(歯垢・歯石)にたくさん存在している細菌の代謝酵素を阻害することで、酸の産生を抑制します。
このようにしてフッ素が歯を修復するのです。フッ素は危険?
インターネットで検索をすると、フッ素は危険だという言葉を目にする方もいるかと思います。
ですので安全性についてお話ししたいと思います。フッ素・安全性
確かに取り扱いには厳重注意の劇薬です。ですが、その中毒量は5㎎F/体重㎏
つまり20㎏のお子様であれば100㎎のフッ素を取り込むと中毒がみられると推定されていることになります。
虫歯予防に使われるフッ化ナトリウムは1g中に9㎎のフッ素が含まれています。
お子様に使用する場合せいぜい2g程度ですので、その中に含まれるフッ素の量は18㎎になります。この量なら毒性を示すことはありません。
ただし、それでも管理には厳重に気を付けたいので、ご自宅でフッ素を管理する際はお子様の手の届かないところに保管するようお願いいたします。
また、ご紹介した商品の中でアレルギー既往のある方は避けた方が良い場合があるのでお困りの際はお声がけください。最後に
今回は少し難しい話でしたね。私も学生の時にフッ素のことについて理解するのに少し時間がかかりました。フッ素について少しでも怖さをぬぐえる糸口になれれば幸いです。
当院ではお勧めの歯磨き粉やご自宅でも使えるフッ素洗口液、フッ素ジェルを販売しております。是非お手に取ってみてください。
受付でも販売しておりますし、定期検診や歯の治療の時などお気軽に歯科医師・歯科衛生士へお声がけください!ご家族全員での虫歯予防や歯科治療にならないように!
歯と全身の健康を保てるように!
歯ブラシ選びやフロスの利用と最後の仕上げのフッ素塗布・フッ素うがいでしっかりとご自宅でのケアを登戸グリーン歯科・矯正歯科ではおすすめしています。
ご来院していただく患者様皆様ができるだけ虫歯にならないように、2度と歯で困らないように治療とケアでサポートします!
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