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歯科で撮るレントゲン写真について種類と撮影するタイミング
こんにちは。歯科医師の山縣奈々子です。今回は歯科で撮るレントゲン写真についてお話ししたいと思います。
ではレントゲンを撮りますね!
歯科医院に行くと必ずと言っていいほど
「では、レントゲンを撮りますね!」
と、言われると思います。
「なんでー?」
「そんなもの撮らなくても分かるでしょ!」
と思われるかもしれません。でも、実はレントゲン写真は私たちが歯科治療を行うときにはかなり重要なことなのです。歯科の治療する領域
歯茎の中には骨があり、その骨の中に歯が埋まっているのです。
歯科の治療する領域は、お口の中を見ただけでは分からない歯の中や骨の中にも及びます。
虫歯などは歯の中で広がっていき、表面からでは全く気が付かないこともあります。歯科で扱うレントゲン
主なものとして
1、パノラマX線写真
2、デンタルX線写真
3、CT
レントゲンと聞くと、被ばく量が気になるところだと思います。
レントゲン写真撮影での被ばく量
日常生活での放射線量
私たちが日常生活を送るだけでも実は放射線を常に浴びています。
住む地域によっても異なりますが、日本では年間約1.5ミリシーベルトの放射線を浴びていると言われています。
飛行機などに乗る、例えば東京-ニューヨーク間では0.19ミリシーベルトだそうです。レントゲン撮影での放射線量
では、歯科のレントゲン写真ではどうでしょうか?
パノラマX線写真 0.03ミリシーベルト
デンタルX線写真 0.01ミリシーベルト
歯科用CT 0.1ミリシーベルト
ほどです。機械によっても多少違いますが、自然に浴びている放射線と比べてみるとかなり低い量の被ばく量だということがわかっていただけると思います。
妊娠中の方のレントゲン写真撮影
妊娠中の方はX線の影響が胎児に与える影響が計り知れないということから、なるべくレントゲン写真撮影を避けるということが言われます。
しかし、やむを得ない場合には撮影範囲を最小限にとどめ、防護エプロンを着用しますので、あまり心配は必要ありません。
もちろん気になる方は、お気軽にお声がけください。正確な診断や確実な治療をするために
正確な診断や確実な治療をするためにはいろいろな情報が必要です。
登戸グリーン歯科・矯正歯科では従来のフィルムを用いたレントゲン写真よりも被ばく量の少ないデジタル撮影の機器を使用しています。
皆様には安心して治療を受けていただければ幸いです。歯科医師 山縣奈々子
レントゲン写真を撮影するタイミング
登戸グリーン歯科・矯正歯科でレントゲン撮影を行うタイミングについて簡単に説明いたします。
パノラマX線写真
初診時
初めて登戸グリーン歯科・矯正歯科にご来院していただきましたら、症状にもよりますがお口全体が映るパノラマX線写真を撮影させていただきます。主訴のある歯の場所のほかに虫歯になっている歯はないか、これから親知らずがどう生えてくるか、ほか医院での治療後の予後の状況、歯周ポケットの深さなど患者様の今後についても大切な情報になります。
久しぶりのご来院の時
定期検診と同じですが、2年以上前回の撮影から時間が経ている場合は撮影いたします。
定期検診時
前回撮影したパノラマX線写真が2年以上前の画像になると現状のお口の中の確認のためにレントゲン写真を撮影する場合があります。
いつもより診察料がかかるので、事前にお声がけいたします。お子様の矯正の診断時
小児矯正の資料採りでパノラマX線写真を撮影します。
これから生えてくる骨の中の大人の歯の状態がわかるので診断にとても大切な資料になります。抜歯後
虫歯になってしまい、しっかり歯が残ってない時の抜歯や根っこだけになってしまった歯の抜歯、親知らずの難抜歯などは骨の中の深い位置にある歯や歯の根っこのかけらまで抜歯できたか確認するために撮影する場合があります。
デンタルX線写真
初診時
パノラマX線写真を撮影した後に、デンタルX線写真を撮影する場合があります。
歯の痛みが強い時やぶつけてしまった時の破折(歯が折れる・歯が取れる)、被せ物が取れてしまった場合に、被せ物の下が虫歯になっていることも多々あるので、被せ物が取れている状態で撮影をします。再診時
初診時と同様に転んでぶつけてしまったり、被せ物が取れた時も歯ごと折れてしまって取れた場合もあるので骨の中の状況を撮影します。取れてしまった被せ物を見て判断します。
歯茎に小さなできものができてしまっている場合も歯の根っこの先に膿がないか、どの歯に炎症があるか診断のために撮影します。根管治療時
根っこの治療では骨に埋まっている部分の治療なので、デンタルX線撮影が欠かせません。
治療の最後の確認のほかに、根っこの状況を確認するために小さな棒状の歯科材料を入れたまま撮影することがあります。
また、根っこの数や生え方・曲がり具合によっては角度を変えて何回か撮影する場合があります。
非常に少ない放射線量ですのでご理解とご協力をよろしくお願いいたします。インプラントの2次オペ・アバットメントセット時
フィクスチャー(インプラント体)に歯の土台の部分になる治療に進んだときに撮影します。骨とフィクスチャーの状態などが診断できます。
歯科用CT
外科処置の診断
親知らずの抜歯、や歯茎を開いて行う外科処置で診断のために撮影します。
インプラントオペ
インプラント埋入ができる骨の量・幅・深さなどインプラント治療の際の診断で撮影します。
大人の矯正
ブラケット矯正やマウスピース矯正などの大人の矯正の資料採りでCT撮影を行います。
歯の傾斜や歯を動かすスペースの確保・ミリ単位での診断ができます。さらに詳しい診断が必要な時
歯茎が腫れてしまっていたり、痛みが強い場合などデンタルX線写真より詳しい情報が必要な場合に撮影します。普段より診察料がかかるので、お声がけします。
管理栄養士 北舘
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