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歯周病は「口の中だけの病気」ではありません
歯周病は「口の中だけの病気」ではありません
― 全身疾患との関係を歯科医師が解説します ―「歯周病は歯ぐきの病気ですよね?」
診療の現場でも、患者さんからこのような質問を受けることは少なくありません。確かに歯周病は歯ぐきに炎症が起こる病気ですが、近年ではお口の中だけにとどまらず、全身の健康と深く関係している可能性があることが分かってきています。
今回は、歯科医師の立場から「歯周病と全身疾患の関係」について解説します。歯周病とはどんな病気か
歯周病は、歯の周囲に付着した歯垢(プラーク)に含まれる細菌によって、歯ぐきに慢性的な炎症が起こる病気です。
進行すると、歯を支えている骨(歯槽骨)が徐々に溶け、最終的には歯が抜けてしまうこともあります。
厄介なのは、初期から中等度ではほとんど自覚症状がないことです。
「痛くないから大丈夫」「出血はあるけれど様子を見ている」という方も多く、気づいた時には進行しているケースも珍しくありません。
日本では成人の多くが歯周病、またはその予備軍とされており、非常に身近な生活習慣病の一つといえます。なぜ歯周病が全身に影響するのか
歯周病が進行すると、歯ぐきの炎症部分から細菌や炎症性物質が血管内に入り込む状態が起こります。
これらが血流に乗って全身を巡ることで、さまざまな臓器や血管に悪影響を及ぼす可能性があると考えられています。
つまり歯周病は、「お口の中にとどまった問題」ではなく、体全体に慢性的な炎症負荷をかける病気とも言えるのです。歯周病と関係が指摘されている全身疾患
現在、歯周病との関連が報告されている疾患には、以下のようなものがあります。
糖尿病
歯周病があると血糖コントロールが悪くなりやすく、逆に糖尿病があると歯周病が重症化しやすいことが知られています。
お互いに悪影響を及ぼし合う「双方向の関係」があるのが特徴です。心疾患・脳血管疾患
歯周病菌や炎症物質が動脈硬化の進行に関与している可能性が指摘されています。
誤嚥性肺炎
高齢者では、口腔内の細菌が唾液とともに肺へ入り込み、肺炎を引き起こすリスクがあります。お口の清潔さは命に関わる問題になることもあります。
妊娠への影響
歯周病がある妊婦さんは、早産や低体重児出産のリスクが高まる可能性があるとする報告もあります。
これらはすべて「歯周病が必ず原因になる」という話ではありませんが、歯周病を放置しないことが全身の健康維持につながる点は共通しています。
歯科医院でできる歯周病予防と管理
歯周病対策の基本は、毎日のセルフケアと定期的な歯科受診です。
歯科医院では、
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歯石やプラークの専門的な除去
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歯周ポケットの検査による進行度の把握
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ブラッシング方法や生活習慣のアドバイス
などを通じて、歯周病の進行を防ぐサポートを行います。
特に、糖尿病などの持病がある方や、将来の健康を大切に考えている方ほど、歯周病管理の重要性は高くなります。
まとめ:お口の健康は全身の健康への第一歩
歯周病は、決して「歯ぐきだけの問題」ではありません。
お口の中を健康に保つことは、全身の健康を守るための第一歩です。
当院では、歯周病の早期発見と予防に力を入れ、患者さん一人ひとりに合ったケアをご提案しています。
気になる症状がある方、しばらく歯科受診をしていない方も、ぜひ一度ご相談ください。登戸グリーン歯科・矯正歯科
稲田英里子
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