• お子さんの「食べる力」、順調に育っていますか?

    小児の食事 口腔機能 歯医者に歯並び相談

    お子さんの「食べる機能」は、単に食事ができるだけでなく、将来の歯並びや発音、全身の発育にも深く関わっています。

    偏った噛み方、舌の突出、咀嚼時間の長短、食事のリズムの乱

    などは、口腔機能発達不全症のサインかもしれません。
    特に乳幼児期から学童期にかけては、年齢に応じた食べ方や飲み込み方を身につけることが大切です。
    今回は、子どもの食べる機能をチェックするポイントと、ご家庭でできるサポートについてご紹介します。

    お子さんの「食べる力」、順調に育っていますか?

    「好き嫌いが多い」「食べるのが早すぎる」「いつも同じ側で噛んでいる」

    このようなお悩みは、多くの保護者の方が経験されるものです。
    しかし、なかには口腔機能の発達と関係しているケースもあります。
    食べることは、噛む・飲み込む・舌を動かす・姿勢を保つなど、多くの機能が協調して行われています。
    子どもの成長に合わせて、これらの機能が適切に発達しているかを確認することが大切です。

    ① 咀嚼時間は適切ですか?

    離乳完了後(1歳半以降)は、食べ物を口に入れてから飲み込むまでの時間にも注目しましょう。
    一般的には、25~30回程度噛むことが目安とされています。一方で、

    • 1分以上かかる場合は「長すぎる」

    • 5回未満、または5秒未満で飲み込む場合は「短すぎる」

    と考えられます。
    噛む回数が少ない場合は、一口量が多すぎたり、噛む習慣が身についていない可能性があります。
    ご家庭では、

    • 一口量を少なめにする

    • 繊維質の多い食材を取り入れる

    • 野菜を繊維に沿って短冊切りにし、手づかみでかじる練習をする

    といった工夫が、咀嚼機能の発達につながります。

    ② いつも同じ側で噛んでいませんか?

    片側ばかりで噛む「偏咀嚼」も注意したいポイントです。
    偏咀嚼がある場合は、まず、

    • むし歯がないか

    • 歯並びに問題がないか

    を確認することが大切です。
    痛みや噛みにくさが原因となっていることも少なくありません。
    特に問題がなければ、左右均等に噛むよう意識づけを行います。
    ガムトレーニングを取り入れることも有効な場合があります。
    左右バランスよく噛むことは、顎の健全な発育や歯列の形成にも良い影響を与えます。

    ③ 舌が前に出る「乳児嚥下」が残っていませんか?

    飲み込むときに舌が前に出る「舌突出癖」は、乳児期の飲み込み方(乳児嚥下)が残っている状態です。
    次のような特徴がみられる場合は注意しましょう。

    • 飲み込むときに舌が上下の歯の間に入る

    • 前歯に舌を押し当てて飲み込む

    • 口の周りの筋肉に力が入る

    • 飲み込むときに顎にしわができる

    舌の正しい位置は、上あごの前方部分(スポット)に軽く触れている状態です。
    舌突出癖は、開咬や歯並びの乱れの原因となるため、できれば5歳頃までに改善していくことが望ましいとされています。
    ご家庭では、上あごにガムをつけ、その位置を意識しながら唾液を飲み込む「ガムトレーニング」などを取り入れることもあります。

    ④ 食事の量や回数、生活リズムも大切です

    食べる量が極端に多い、少ない、あるいは食事時間が不規則な場合は、生活習慣そのものを見直す必要があります。
    確認したいポイントは、

    • 年齢に応じた食事量か

    • 身長・体重の増加は順調か

    • 規則正しい生活リズムになっているか

    生活リズムが乱れると、空腹感を覚えにくくなり、食事量の低下につながることもあります。
    間食も含め、決まった時間に食事をとる習慣をつけることが、健やかな発達を支えます。

    ⑤ 食事中の姿勢や食形態にも注目しましょう

    口の機能を十分に発揮するためには、姿勢も重要です。
    足がしっかり床につき、安定した姿勢で食事をすることで、噛む力や飲み込む力が発揮しやすくなります。
    また、お子さんの口の発達に合った食形態を選ぶことも大切です。
    乳臼歯が十分に生えそろう前に、繊維質が多く硬いものを与えると、丸のみや偏食の原因になることもあります。
    さらに、

    • 前歯でかじり取れているか

    • 一口量が適切か

    • 左右均等に噛めているか

    • 口を閉じて食べているか

    • 水で流し込んでいないか

    といった点も、摂食嚥下機能を評価する重要なポイントです。
    お子さんの「食べる力」を一緒に育てていきましょう
    口腔機能の発達は、歯並びやむし歯予防だけでなく、発音や姿勢、全身の成長にも大きく関わっています。

    「食べるのが早すぎる」
    「片側でしか噛まない」
    「口を開けて食べる」
    「好き嫌いが多い」

    など、気になる様子があれば、早めに専門家へ相談することが大切です。
    当院では、歯科医師や歯科衛生士だけでなく、管理栄養士もチームの一員として、お子さんの成長をサポートしています。
    お口の機能や歯並びの状態はもちろん、食事内容や生活習慣についても一緒に考え、ご家庭で無理なく取り組める方法をご提案しています。

    「どんなものを食べさせればいいの?」
    「食べるのが遅いけれど大丈夫?」
    「偏食が気になる」

    など、日々の小さな疑問でも構いません。
    専門職が連携しながら、お子さん一人ひとりの発達段階に合わせて、食べ方や舌の使い方、姿勢、食習慣などを総合的にサポートします。
    お子さんの健やかな成長と、将来につながる「食べる力」を育てるために、気になることがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

    歯科医師 渡辺紘子

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