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歯並びだけを見ない矯正診断と咬合の考え方
8日間にわたって学んでいる歯科矯正セミナーの第4日目に参加してきました。
今回は、歯並びをきれいに並べるための細かいワイヤー操作だけでなく、「なぜその歯並びや噛み合わせになっているのか」を骨格や顎の動きから考える、とても実践的な内容でした。「なぜその歯並びや噛み合わせになっているのか」を骨格や顎の動きから考える
矯正治療というと、一般的には「歯をまっすぐ並べる治療」というイメージが強いかもしれません。
しかし実際には、歯だけを見ていると正しい診断ができないことがあります。
今回のセミナーでは、セファロ分析という横顔のレントゲンを用いた分析を行い、上あご・下あごの位置関係、顔の長さ、奥歯の高さ、噛み合わせの平面などを数値として確認する重要性を学びました。「平均値に合わせることがゴールではない」という考え方
特に印象的だったのは、「平均値に合わせることがゴールではない」という考え方です。人の顔や骨格にはそれぞれ個性があります。
そのため、単純に平均的な形に近づけるのではなく、その方の骨格の中で、どの位置に歯を並べると無理なく噛めるのかを考える必要があります。咬合平面という、噛み合わせ全体の傾きについて
また、今回は咬合平面という、噛み合わせ全体の傾きについても詳しく学びました。
奥歯の高さや傾きが変わると、下あごの位置や前歯の噛み合わせにも影響します。
たとえば、受け口に見える場合でも、単に下の前歯を引っ込めればよいわけではなく、奥歯の高さや噛み合わせの傾きが原因になっていることもあります。
反対に、出っ歯に見える場合でも、上の歯だけの問題ではなく、下あごの位置や奥歯の噛み方が関係していることがあります。
実習では、ワイヤーに細かい曲げを加える練習も行いました。
オフセット、ティップバックベンド、ステップベンド、トルクなど、歯を三次元的に動かすための調整です。
言葉だけ聞くと難しく感じますが、目的は「必要な歯を少しずつ正しい方向へ導くこと」です。
矯正では、歯を横に並べるだけでなく、上下方向のコントロールも非常に大切だと改めて感じました。
さらに、患者さんに使っていただく顎間ゴムについても学びました。ゴムは単に「出っ歯だから2級ゴム」「受け口だから3級ゴム」と機械的に使うものではなく、どの歯を支えにして、どの方向へ噛み合わせを変えたいのかを考えて使用する必要があります。
患者さんの協力が治療結果に大きく関わるため、なぜゴムが必要なのかをわかりやすく説明することも大切です。
後半では、親知らずを含む奥歯の位置関係についても学びました。親知らずが奥から押すことで、奥歯の傾きや噛み合わせに影響することがあります。抜歯が必要かどうかは、歯だけでなく、骨格、咬合平面、顎関節への負担などを総合的に見て判断する必要があります。
今回の第4日目を通して、矯正治療は「歯を並べる技術」だけではなく、「顔全体・顎の動き・噛み合わせの将来」まで見通して計画する治療だと再認識しました。患者さんにとって長く安定し、機能的にも快適な噛み合わせを目指せるよう、引き続き学びを深めていきたいと思います。
登戸グリーン歯科・矯正歯科歯科医師 稲田英里子
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