• インプラント予定部位の骨再生遅延・骨再生のプロセス

    歯を抜いた後、顎の骨が再生してからインプラントを埋入します。
    インプラント治療をする場合、当該部位の抜歯約6ヶ月後にCT撮影を行い骨の再生を確認することが一般的です。骨の再生の確認はHU値(ハンスフィールド単位)と呼ばれるCT値で骨の密度を定量的に分析します。
    一般的に顎骨は350〜800ほどの数値を示し、数値が高いほど骨密度が高いことを示します。

    抜歯から、骨の再生が行われるプロセス

    ①止血・血餅形成(抜歯直後~数日)

    抜曲にはまず血液がたまり、血が形成される。
    血小板が凝集
    フィブリンが形成される成長因子(PDGF、TGF-Bなど)が放出される
    ここの血が「再生の足場(スキャフォールド)」になります。 

    ②炎症期(1~3日)

    好中球マクロファージが侵入
    壊死組織や細菌の除去
     成長因子の加放出 

    ③肉芽組織形成(3日~1週間)

    血は次第に肉芽組織に置き換わる。
    線維芽細胞が増強
    毛細血答が新生(血管新生)
    コラーゲン  

    ④仮骨(未熱骨)形成(1~4週間)

    芽細が分化・増殖し、類骨を産生します。
    骨芽細胞→類骨形成
    石灰化が進行
    未熟な編成骨
    -抜歯後は徐々に骨様組織で満たされる。

    ⑤骨のリモデリング(1か月~数か月)

    未然は時間とともに成然骨へ置き換わります。
    破細が不要な骨を吸収
    芽細胞が新しい骨を形成
    層板骨(lamellar bone) へ成熟

    約3~6か月で構造的に安定した骨になる。

    先に記載したように抜歯後6ヶ月がインプラント埋入の時期の目安となりますが、その時期になってもCTのHU値が充分に上がらないケースもあります。

    骨再生のメカニズムと遅延要因

    一般的な骨再生プロセス

    1. 血餅形成 (抜歯直後〜数日): 治癒の足場となる血の塊ができます。

    2. 炎症期 (1〜3日): 再生のための準備段階として軽度の炎症が起こります。

    3. 組織形成 (3日〜1週間): 肉芽組織が形成され、組織の土台ができます。

    4. 骨形成 (1週間〜数ヶ月): 未熟な骨(仮骨)が形成され、約6ヶ月かけて硬い成熟骨へと変化します。

    骨密度が上がりにくい要因

     高齢

      喫煙

      全身疾患(糖尿病など)

      感染の残存

      咬合負荷の不足

    6ヶ月経過後も充分な骨密度が得られない場合、さらなる骨再生を期待して時間を置くことも有効ですが、一方で既存の骨の吸収が起きてしまうことも考えられるため、初期固定を得られることができれば、埋入予定の完全に再生していなくてもインプラント手術を行い、人工骨の利用などの併用も行いインプラント埋入後に骨の再生を待つことも選択肢の一つとして考えられると思います。

     歯科医師 山縣奈々子

    山縣先生のインプラント症例のコラム

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