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妊娠中の歯科治療とお口の中で気を付ける事
妊娠中は歯科治療を受けて良いのか、心配になることがあると思います。
今回はどのような治療は大丈夫か、どのような治療は出産後に受けるべきかをお話しします。歯科医院に行くと、問診欄に「妊娠している・あるいは妊娠の可能性がある」という項目があることがあります。
それは、赤ちゃんに影響を及ぼすことがある歯科治療や時期があるからです。一般に妊娠中期(16〜27週)が歯科治療を受ける最適な時期と言われています。
初期は胎児は臓器や器官などが急速に成長をしている大切な時期であり、胎盤を通して母親の血液中の成分が胎児に影響を与えやすい時期だからです。どのような歯科治療は避けた方が良いとされるのでしょうか?
わかりやすくざっくりと言うと、「レントゲン」・「麻酔」・「薬の服用」を伴うものです。
①虫歯の治療
虫歯の治療は必ずしもレントゲンが必要ではありませんが、小さな虫歯だろうと思って治療を進めていったら、意外にも大きくて、麻酔が必要になることもあります。また、そのような大きな虫歯の治療のために痛みが出て薬を服用しなくてはいけないこともあるかもしれません。②抜歯・インプラント治療などの外科的治療
外科治療には必ず麻酔と薬の服用が伴ってきます。またインプラント治療にはパノラマX線写真ややCT撮影が必須となるため妊娠中の治療には向きません。③矯正治療
矯正治療は診査、診断には必ずパノラマX線撮影、CT、セファロX線画像が必要になります。妊娠前にこのような診査を受けていたとしても、矯正は年単位での治療になるため、妊娠中の体調不良や出産後の赤ちゃんのお世話などで治療に通えなくなった場合、治療が終わらないまま矯正装置がお口についた状態でいることは虫歯になるだけでなく、歯並びが悪化してしまうことにもなりかねません。妊娠をご希望されている場合には矯正治療の開始時期を考慮することは非常に大切です。妊娠中に口腔内で気をつけることは?
妊娠中はホルモンの影響で歯肉炎になることがあります。これを妊娠性歯肉炎と呼びます。
歯茎が赤く腫れ、歯ブラシの際に出血を伴うこともあります。
また妊娠性エプーリスといって歯茎の一部に大きなオデキのようなものができてしまうことがあります。
出産が終わると自然に治ることが多いので、あまり心配する必要はありませんが、歯ブラシをしっかりして炎症が強くならないようにすることも大事なことです。妊娠中に歯が痛くなってしまったらどうするの?
もしどうしても歯が痛く、治療が必要になってしまったどうしたら良いか心配になりますね。その場合は歯科医師と相談してください。先ほど、レントゲン、麻酔、薬の服用を避けるべきを書きましたが、これらはもし行なったとしても胎児への影響は大きなものではないとされています。影響を最小限にするべく、安定する妊娠中期まで対処療法で先延ばしにすることができるかもしれません。どうしても妊娠初期に治療が必要になった場合にはこれらを行わざるを得ないかもしれませんが痛みを耐え続けながら生活することも妊娠に良い影響であるとも言えません。
1番良いのは妊娠する前から定期的に歯科を受診して、大きな治療を受けることなく過ごすことだと思います。お腹が大きく、診察台の上に長く横になっていることが辛くなるので、妊娠後期には難しいですが、妊娠中でもクリーニングなどの口腔ケアには積極的に通っていただくことをお勧めいたします。
登戸グリーン歯科・矯正歯科
歯科医師 山縣奈々子

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