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入れ歯ができるまで -かかる回数と各ステップにおける診療内容について-
入れ歯を作るにあたって予め気になることの一つに「期間」があると思います。今回は入れ歯を作る流れについてご説明します。端的に言って入れ歯(義歯)は完成までに最短で約1ヶ月強, 来院回数にして5回程度かかります。
来院1回目・検査と型取り
まず, 初回には検査と型取りをします。それによって残っている歯の状態や口腔内の衛生状態, 骨や顎堤(入れ歯が載る土手の部分)の状
態などを診査し, どのような入れ歯をつくればいいかおおよその設計を考えます。
この時に元々の入れ歯があれば参考として型取りをするのでお持ちください。そしてこの時に「概形印象」というおおまかな型取りもします。これは次回に精密な型採をするために, 患者さんごとに型枠をカスタマイズして作るためです。ただし, お口の中の状態が入れ歯を作るのに非常に適した状態ならばこの初回の型取りだけで済む場合もあります。
来院2回目・精密な型取り
次の来院時には前回の型取りでできたオーダーメイドの型枠を使ったより精密な型取りをします。これによって入れ歯の縁(床縁)が決まる
ので, 外れにくい, かたつきにくい入れ歯ができてきます。
この型取りによって, 蝋(ろう)でできた入れ歯の原型(咬合床)ができてきます
。この入れ歯の原型を使って次回来院時に噛み合わせの高さの型取りをします。
部分入れ歯で, 失われた歯の数が少なく, 前後にに歯の支えがある場合, この手順は不要となる場合もあります。来院3回目・かみ合わせの確認(Bite)
3回目の来院時には, 蝋でできた入れ歯の原型を口腔内に入れて, 噛み合わせの高さを決めます。この工程も必ずしも必要ではなく, 臼歯部の
噛み合わせが左右で二箇所以上残っている場合は不要です。なぜならば噛み合わせの高さがすでに残存歯によって規定されるからです。
来院4回目・試適
4回目の来院時は「ろう義歯試適」と呼ばれる段階です。このときまでに入れ歯に高さを決めた土台の上に人工歯と呼ばれるダミーの歯を並べます。この時の歯の形や大きさの調和は技工士さんの腕の見せ所です。性別や年齢, ひいては性格を反映して並べてきてくれます。例えば男性
なら直線的, 女性なら曲線的, などダミーの歯(人工歯)の選択・排列のしかたには絶妙な違いがあるそうです。この時に見た目や発音に不調和や違和感があった場合は, 蝋でできた入れ歯なので, 一度技工所に戻して人工歯を外して並べ直してもらったり, ダミーの歯肉の形態を改善してもらったりします。
来院5回目・完成
ろう義歯の試適で問題が
なかった場合には5回目に来院時には最終的な入れ歯の完成です。ただし, 新しい入れ歯は, それまでに使用経験の有無に関わらず痛みが出やすいとされています。なのでその後何度か噛み合わせの調整やや内面の調整が必要となります。調整と慣れの調和の取れたところで使用していただくのが理想的です。
「二度とその歯に関して困らない」という医院理念のもとに, 患者様一人ひとりに合った最適な入れ歯を提供できるよう, 準備してお待ちしております。
登戸グリーン歯科
歯科医師 南

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