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ストローマン(Straumann)インプラントセミナー
11月18日に大手インプラントメーカーであるStraumannのスターターコースを受講してきました。
ストローマンインプラント
Straumannインプラントには長い歴史があり、改良に改良を重ねられており、 現在ではSLActiveという親水性の表面性状をもつTiインプラントが使われています。
当院でも, 使用しているインプラントはメインがStraumannインプラントです。インプラントの2つの様式
インプラントには軟組織レベル(TL/soft tissue level; インプラント体が口腔内に交通している)と骨レベル(BL/ Bone level; インプラントが骨内に完全に埋まっている)の2タイプがあります。
TLインプラント
TL(ティッシュレベル)インプラントは早期に機能回復が望まれる症例や歯肉に厚みのある臼歯部に適していますが, 骨が下がりやすいというデータもあります。
また, 研磨面が露出するので前歯部よりは臼歯部に適しています。BLインプラント
一方で, BL(ボーンレベル)インプラントはインプラント体が骨に完全に埋まっているので審美性が高く前歯部に有利です。
また, 無理な力がかからないので初期固定を得やすいため, 柔らかい骨質にも利用可能です。
全身疾患があり, 感染のリスクが高い場合にもBLインプラントは有効と言えます。
それぞれ特性があるので症例に応じて使い分けていけるようにしたいものです。インプラント治療の流れ
①インプラントの埋入手順は, まず歯肉を切開・剥離して骨を露出させます。
②次に必ず骨表面に残存した軟組織を除去(デブライメント)し, 埋入部位の骨を平坦化(フラットニング)します。
③さらにドリルでインプラント床と呼ばれるインプラントを入れる窩を形成します。
④その後インプラント体をドリルで埋入し, カバースクリューで蓋をして歯肉弁を縫合したら終了です。BLのインプラントの場合は一度完全に歯肉によって閉鎖されるため, 骨との結合を待つ力をかけてはいけない時期(免荷期間:一般的には3〜6ヶ月)が過ぎたら頭出しの2次手術を行います。
その後3週間ほどしたら被せ物(上部構造)の型取りをしてお取付けとなります。インプラントセミナーでは
埋入実習の実際今回の実習では診断から埋入実習までを行いました。
実習では左下大臼歯部中間欠損にTLインプラント, 右下小臼歯部中間欠損にBLインプラントを埋入しました。
まずは切開剥離をし, φ3.1 mmのラウンドバーで骨(歯槽頂)を平坦化しました。次にφ2.3 mmのラウンドバーを斜め45°から骨面に当て, インプラント埋入位置の中心にマーキングをし, ニードルバーで海綿骨まで削合して埋入位置を決定しました。
さらに800 rpmでφ2.2, φ2.8, φ3.5の順に所定の深さまでドリリングします。
その後インプラント体を取り出してラチェットもしくはハンドピースにて15rpm以下で埋入します。丁寧なインプラント治療のために
丁寧なインプラント治療のために、実際にインプラントが可能かどうかの判断は, 感染や治癒遅延のリスクがある全身疾患の有無や口腔衛生状態だけでなく, 実際にドリル等の器具が入るくらい口が開くかという開口量の問題, うわもの(上部構造)の入るスペースがあるかの確認などが事前に必要です。
開口量やCTによる3次元的な骨の形態などを予め検査しておくこと, 口腔衛生状態を良好に保っておくことがインプラント治療の第一歩であると言えます。登戸グリーン歯科歯科医師 南

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