• 歯がギシギシするのはなぜですか?pH 値とシュウ酸

    お口の中の感覚は鋭いもので、うっかりフロスが歯と歯の途中で切れてしまった時の不快感と、何度も取ろうと挑戦してもなかなか取れなくて気になってしまって「どうしよう!」の気持ちが溢れる時があります。
    赤ちゃんがなんでも口に入れるのは口腔内の感覚で認知しようとしているからと言われていますね。
    今回のブログはpH 値の低い食べ物とシュウ酸のお話です。

    フルーツ 酸性の食べ物 歯がギシギシする

    pH値が低い食べ物

    先日、果肉のしっかり入った皮の薄いレモンが手に入りました。
    画像は家でのレギュラーメンバーです。
    旅先だったので消費しなければ!と皮を剥いて蜂蜜につけて少し置いてからいただいたのですが、それほど酸っぱくないものの、下の歯が総攻撃にあったと思うほどギシギシになりました。
    ただの食いしん坊なだけなのですが、普段から酸っぱい食事をそれほど摂らない傾向があるのでギッシギシの感覚がまるで歯が何かに包まれてしまってただただ不快。
    食事の余韻に浸れなくて立派なレモンだったのですが体内でしっかり働いてくれる様祈るばかりでした。
    お水飲んだり、歯磨きしたりしばらくすると落ち着いてきます。

    エナメル質の溶解

    歯の一番外側がエナメル質という固い物質でできていて、pH 値5.5より低い状況にさらされてしまうとだんだんと溶けてきてしまいます。
    レモンはpH 2.0ととても低いのですが他のフルーツも3から4とのこと。
    果糖が多いと酸っぱい感覚が落ち着くので、歯のギシギシ感があまり感じられないですね。
    しかしながらお口の中ではエナメル質は溶けるし、果糖は虫歯菌の住処や餌になりにくいと言われていますが、フルーツを食べた時もしっかり歯を磨いて唾液の分泌を促して再石灰化を心がけたほうが良さそうです。

    pH 値が低い飲み物

    炭酸飲料は甘いのでギシギシしませんが、pH 2.0とレモンと一緒!
    お酢とほぼ同じなのが梅酒。約3.0。
    ワインとスポーツドリンクが約3.5。
    ビールが4.3。
    お酢と梅酒が同じことに驚きです。
    やっぱり梅ってすごい食べ物なのですね。
    こちらにあげた飲み物が好きな方は、飲み物飲んだらを飲みっぱなしにしないことが歯には大切です。

    象牙質の溶解

    エナメル質の中にある2番目の層が象牙質という物質なのですが、pH 6,0から6.8で溶解するそうです。
    エナメル質が溶けてしまい、象牙質に達してしまうと虫歯になる速度が上がり、象牙質の構造が放射状に層をなしているので、入り口から放射状に広がりながら虫歯が進行してしまいます。
    歯茎が下がってしまって、エナメル質がない歯の根っこが露出している方も虫歯が進行しやすい状況です。

    シュウ酸が含まれる食べ物

    歯がギシギシする食べ物と言えばほうれん草がありますね。ほうれん草に含まれるシュウ酸が唾液に含まれるカルシウムとくっつくとえぐみの原因となりギシギシしてしまう様です。
    これからの季節、ほうれん草やちぢみほうれん草がおいしくなりますが、時短調理でレンチンしてしまいがちです。
    ギシギシが気になる方はレンチン後水にさらしてシュウ酸をお水に溶かしてあげてから絞って味付けすると良いです。

    歯磨きと舌回し

    pH 2.0のギシギシ感を忘れないように、しっかり食べた後、飲んだ後は歯磨きと唾液がでてお口の中を守るよう舌回しをして美味しい食事をいつまでも楽しめるようにしたいものです。

    管理栄養士 北舘

登戸グリーン歯科・矯正歯科

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