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神経のある歯の被せ物について・左下ジルコニアブリッジの症例
今回は神経のある歯の被せ物についてお話をしたいと思います。
今ある銀歯を白いものに変えたいと思っているけれども、神経がある歯を大きく削ると痛みがでるのが心配と思って方もいるかも知れません。
今回ご紹介する症例は左下に銀歯のブリッジが入っている症例です。左下保険診療のブリッジからジルコニアブリッジへ
主訴:保険診療で作った保険のインレーブリッジを白くしたい
被せ物を上から見ると全部覆っている被せ物の様に見えますが、側面からみると歯を一部だけ削って被せるインレーのブリッジが入っているのが分かります。
白いものに変えたいというご希望があったため、ジルコニアブリッジへ変更することにしました。治療内容と係るリスクに関して
まず銀歯からジルコニアする場合、ジルコニアの被せ物の入る厚みを確保するために銀歯の場合よりも多く削る必要があります。
また、症例にもよりますが、奥歯でインレータイプのブリッジをすると維持力や適合が下がり、支えとなる歯の虫歯やブリッジの脱離などが起こることがあるので歯をすっぽりとかぶせるクラウンタイプで作ったほうが予後が良いことが多くあります。
そのため、今回はクラウンの形態に歯を削り直し、型取りをおこなうこととしました。神経のある歯・見た目の違い
しかし、この際に気になるのは、削る歯が神経のある歯であるということです。
あまり削りすぎると麻酔が切れた後に痛みが出て神経をとらないといけなくなってしまうこともあります。図の歯を削る場合①の削り方と②の削り方では①の方が歯を全部被せ物で覆うため、審美的にはきれいな仕上がりになります。
一方で②は歯を削る量が少ないため神経のダメージを受けにくいというメリットがありますが、歯の表面の半分くらいしか覆っていないため被せものと歯の境目がみえてしまうので審美的要求の高い前歯などには適応ではありません。ご自身の歯とジルコニアの境目
今回の症例では図の青点線のところに被せ物のラインを設定しています。
この写真ではくっきりとラインが見えてしまいますが、実際には唇がかぶさるので普通にお話をしているような状態ではこのラインが見えてしまうことはありません。
この様に歯の神経にダメージを与えないようにしながら且つ被せ物を十分に維持する被せ物を作ることも可能です。治療回数
4回。まず保険のブリッジを外します。仮の歯を作ります。
形をジルコニア用に調節します。しみないか経過を診ます。
型取りをして、技工所へ作成依頼します。
届いたらセットしてかみ合わせや隣の歯との調整をします。費用
231000円(税込)
歯の治療にはいろいろな選択肢があります。
もし歯の治療で迷っているという事があればいつでもご相談ください。登戸グリーン歯科・矯正歯科
歯科医師 山縣奈々子
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